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人類は滅びないほうがおかしい~映画「クラウドアトラス」と川上量生~

本日の記事が
おそらく本年最後の記事です




年越し前のめでたいタイミングに
へそまがり根性で
不吉なワードを
選んだというわけではなく
中身はとても(おそらくは笑)
前向きな内容なので
ご安心ください^^




加えて
タイトルの映画
「クラウドアトラス」
正月映画に
ぴったりの映画なんですよね
なんと
3時間の超大作です
※ネタバレありますよ~
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出典:mhbeating.exblog.jp

このブログのトップ画面の
眼球の背景画像と一緒に
あてがわれた
ブログタイトルの字の連なりは
クラウドアトラスへの
オマージュでもあります




2012年公開の
映画「クラウドアトラス」は
6つの物語が
グランドホテル方式
(ホテルのような
ひとつの大きな場所に
様々な人間模様を持った人々が集まり
そこから物語が
展開する方式のこと)

で展開される映画なのですが




この映画でいう
「ホテルのような
ひとつの大きな場所」
とは
「時空を超えた
過去・現在・未来」
を意味します




1849年の時代を生きる者たち

1931年の時代を生きる者たち

1973年の時代を生きる者たち

2012年の時代を生きる者たち

2144年の時代を生きる者たち

2321年の時代を生きる者たち

という
時系列で考えれば
交わることができないはずの
様々な人々が
(物語の中では時代が近い
一部の人は直接的にも交わりますが)
時空を超えた
数奇なむすびつき(縁起)を
観る者に示す

そんな映画なんですね
(おそらく誰が見ても
一度見ただけでは
すべてをとらえきれない映画です)




そして
6つの時代の
それぞれの登場人物たちを
同じ役者が
演じ分けることによって
「前世」
あるいは
「来世」を感じさせる演出に
映画はなっています





2144年
純潔な人間が
合成人間(クローン人間)
管理支配するという
映画「ブレードランナー」
思い起こさせる
近未来世界にあって

2321年の時代では
伝説の革命家として
語り継がれることになる
クローン人間の主人公
ソンミが語る台詞に
こんなものがあります
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出典:www.youtube.com




「命は自分のものではない
子宮から墓まで
人は他者とつながる
過去も現在も
すべての罪が
あらゆる善意が─

未来を作る」






では
「命は自分のものではない」
だとすると
この「命」とはいったい
誰のものなのでしょう





「人」が
「未来を作る」のではなく

「人」を通して
立ち現れて来る
「罪」や「善意」
「言葉」や「想い」が
「未来」を作る


そう語られていることが
「命は自分のものではない」と
語られていることの
重要なポイント
です




登場人物たちは
おのおのの
時代や境遇
生まれ持った資質や特質
後天的に育まれた
信念や希望のままに
死をも顧みずに
自分が「やりたいと思うこと」
というよりも
自分が「正しいと思うこと」
というよりも

肉体と精神を超えて
無言に訴えかけてくる
内なる衝動
のままに
猪突猛進に
自らの人生を
ひたむきに謳歌します




肉体と精神を超え
無言に訴えかけてくる
内なる「罪」や
「善意」の衝動とは
自分のものではない
「命」の成せる
不可視な力

そして
「命」がつむぐ
未来への衝動





「命」の使徒として
人は「2」の世界
舞い降り
そして例外なく
「0」の世界へと
帰還することになります





この「2」の世界に
未来永劫に
生きつづけるもの
とわに変わることのないものは
ひとつもありません

そしてそのことは
「人類」も同様であることを
映画は
見る者に提示します




複数の株式会社の取締役であり
ニコニコ動画の開発者であり
映画プロデューサーであり
スタジオジブリにも所属する
異色の経歴を持つ
川上量夫さんが
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出典:withnews.jp


「人類は滅びないほうがおかしい」

ためらいなく語るのを
「ニコニコ哲学」という著書で
お見かけしたことがあり

ぼくも同じことを
思うのですが





ですが
このことは
人間の愚かさや
救いのなさといった
厭世だったり
人間が滅んだほうが
地球のためにいいといった
道義的な意味で
そう思うわけではなく





この
「2」の世界の
摂理
として
いつの日か
人類が滅することは
当然の帰結で
特別おかしなことでもない

という意味で
ぼくはそう思うわけです




だからと言ってぼくが
人類が滅びゆく場面に
さしかかったとき
高みの見物よろしく
黙って見ているのかというと
そんなことはありません




家族や大切な人が
危険にさらされそうなら
持てる能力や
知識を総動員し
自分ができうる
最大限の最善を
問題に対し
注ぎ込むことでしょう

場合によっては
法に背くことも
人を殺すことだって
するかもしれません

クラウドアトラスの
主人公たちのように




この世に
終わらないものなんて
ひとつもない

という世界にあって
「人間だけが
終わることがない」
という考え方は
ある意味
人間の傲慢です






けれども
終わらないものなんて
ひとつもない
ということは
同時に
「2」の世界においては
始まらないものも
ひとつもないことを
意味します





誤解を恐れずに言えば
人類が滅んだなら
それに代わる新しい何かが
始まる

それだけのことなのです





すべての
生きとし生けるもの
すべての
形あるもの
形なきものに
終わりがあるからこそ
この世界は
儚くて
美しくて──

その儚さの
深奥から
「始まり」は
この世界へと
何度でも
よみがえります






だからこそ
ある意味ではやはり
人類もまた
「滅びないほうがおかしい」

のです





そのことを理解した
クローン人間ソンミは
処刑されるのを目前に
こんなことを語るんですね





「私の考えでは
死は扉にすぎません
閉じた時 
次の扉が開く
私にとって天国とは
次の扉が開くこと
その向こうには
きっと彼がいます
私を待ってる」




「彼」とは
ソンミが愛する
殉死した人物です




ここで場面が
2144年から
1849年の世界に変わり
ソンミ役をしている女優が
別の女性役で
殉死した男性役の男優が
別の男性役で
その時代の
物語の中で
生死を乗り越えた
再会を果たす
ところに
この映画の
根幹を成す
重要な意味が
込められていると
ぼくは考えます




すべての人が
体験するすべては
時空を超えて
つながりあい

「来世」も
「前世」をも
超えて

すべての人の
体験してきたすべて
これから先
生まれ落ちる人の
体験するすべてが
あなたにとっての
「来世」であり
「前世」でもあるのだという
「1」の世界や
「0」の世界を
作り手やソンミは
暗に語っているわけです

(というぼくの誇大解釈
かもしれませんが笑)




6つの物語の
それぞれの主人公たちはみな
同じ彗星型のあざ
持っていることが
生まれ変わり
暗に示す
演出となっていますが

さて
「魂」とは
個別のものなのでしょうか?
それとも
「魂」には
個別とは違う
別の形態が
存在するのでしょうか?


来年は
そういった部分にも
踏み込んでみたいですね





映画のメイキングもまた
必見です

脚本
キャスティング
主題曲
衣装や美術など
あらゆる観点から
細かいところまで計算された
宗教芸術のような映画であることが
見えてきますし
見返すたびに
違った味わいや
違った発見がある
万華鏡のような
映画でもあります




最後に
1973年のエピソードにおいて
エネルギー利権の陰謀に
巻き込まれ暗殺された
科学者シックススミスの姪
陰謀の証拠を
主人公に託す際に
残した台詞を記して
今日の記事を終わりにします


ここで語られている
「愛」とは
「0」の世界における
「自己愛」の愛
です




「伯父は科学者だけど
愛は存在すると信じてた
ある種の自然現象として
愛というものは──
死をも乗り越えると」






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