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億単位の骨董品ですらもが0円になりうる世界「ゲティ家の身代金」

昨年公開された
リドリー・スコット監督作に
「ゲティ家の身代金」
という映画があります
※少しだけネタバレあります
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1973年
石油で財を成した
世界一の大富豪ゲティ
14人いる孫の一人が
1700万ドル(当時で50億円)
身代金目的に
誘拐されるところから
物語は
始まりますが




他の孫たちの
さらなる誘拐と
身代金要求の
連鎖を防ぐため──
という口実で

ゲティは
かたくなに
1円たりとも
支払わない
ことを
表向きは
表明しますが




当時のドル価値に
換算すると
1.4兆円という
莫大な総資産を持ちながら
極度の吝嗇家(けち)としても
知られるゲティの
そのこころの内は
「まだ(金が)足りない」
という野望に
燃えていました




金にまつわる
あらゆる
人間の
おぞましさを
味わいつくしてきた
ゲティが
孫の奪還作戦に
任命した
元CIAチェイスとの
対話の中で
資産価値の高い
骨董品を手に
こんなことを語る
場面があります




「だから私は
物が好きなんだ
オブジェや
古代の遺品や絵画
(それらのものは)
目の前にある
姿のままで
決して変わらない
失望させない
美しい物に備わった
純粋さは──
人間にはない」




ところが
残念ながら
変わるのです





ゲティにとって
骨董品が
美しいまま
純粋であり続けるのは
それが
「資産価値」のあるもの
だからで
手持ちの骨董品に
「資産価値なし」という
判定が下されたなら
ゲティは
なんの迷いもなく
屋敷の暖炉に
その骨董品を
放り込むか
誰かにあげてしまうことでしょう



仮に
ゲティが
骨董品もろとも
ひとり無人島に
送り込まれたなら
骨董品は
暖をとるための
薪になり
家屋の素材になり
食べていくための
武器や道具となる
でしょう




人間のこころが
永遠不変のものでない限り
この
「2」の世界において
永遠不変に
純粋で
美しいものなんて
ひとつもなく




いつだって
本当の純粋性と
本当の美しさは
「2」の世界を
超えた領域にしか
存在せず




ぼくら人間は
いつだってその
「2」の世界を
超えた領域への
扉となる
いつもの日常の
一瞬の裂け目に
垣間見る
「奇跡」や
「神秘」のなかにだけ
それを見つける
のです





今日も
ありがとうございました





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コメント

コルキナさん

せわしない気候でしたねえ!ほんとに。
シンギュラリティと併せて、
リアル世紀末の到来もそう遠くないのかも笑


トロくさい。
これ、他人事じゃないんですよね…
ぼくも実はそういうタイプなのです。
「2」の世界に適した思考回路を先天的に持っていないのか、
喋るのが遅くてイライラすると言われることも笑


面白がってもらえそうだなんて、
そんなにハードル上げないでくださいね。
「今日のはまあまあかな」とか「元気?」とか、
それだけでもうれしいですから。

こちらこそ、ご無沙汰でした。やれやれ、忙しない気候でしたね(笑)。

新ブログになってからも、記事を読ませてもらい、「うーむ、なるほど」と思ったり、今回のように「たしかにそうかも。しかし、もしかしたら…」と思っておりました。

が、いささか残念なことに、僕は考えるのがトロくさく(笑)、一つの記事に「よし、こう書こう」とコメントすることを思いついたときには、すでに新しい記事が3つ4つ並んでいて、それを読んでから書こうとしていた自分のコメントを再考すると、「うーむ、考えが浅かったぜ」となる有様。お笑いあれ。

僕は相変わらず「ヴァルハラ」、すなわち「2より上にある世界」を見たことが無い。けれども、記事を読んで、その世界を思い浮かべることは出来ます。
友資さんに面白がってもらえそうなコメントを思いついたら、また遊びに来させてください(^-^)。

コルキナさん

コルキナさん!ご無沙汰しております。

もう会えないのかもしれないな、と思っていた方に、
思いがけず再会できる喜び。
ブログは変われど再び、
こうして会いに来てくださったことに、
感謝の念でいっぱいです。V8。




>骨董や美術品を手に入れることで、彼は「2の世界以外の場所」を、手に入れられる、そこに行けると、(本人も知らない心の奥底では) 思っていた、のかもしれないと。
でも、それらのほとんどは「指し示す指」であって、「月」そのものではない。だから、いくら手に入れても、彼は月にはたどり着けない。
そう思うと、「私は物が好きだ」という言葉には、本人が自覚していない深い哀しみが見え隠れしているような、気もするのです。


コルキナさんが、
ぼくの不完全な記事を深い洞察で補足してくださいました。
そうなんですよね。
ゲティにとって、それらのものが、
「2の世界以外の場所への扉」だったと、
ぼくも考えます。
それもそのはずです。
「2の世界以外の場所」をどうにか形として表現しようとしてきたその結晶が、
宗教芸術を初めとする、
過去のあらゆる芸術作品だったとも言えるんですよね。

けれども、
その人の立ち位置や視点によっては、
何の役にも立たないガラクタでしかなく、
「2の世界以外の場所への扉」は、
おのおのの中で、
変化し続けながら、かつ、
存在し続けるんですよね。




名前はどちらでも大丈夫ですよ^^
ただ、他の読者の方が混乱するかもしれませんね笑


コルキナさん、
ありがとうございます。
毎日更新だと追いつかないところもあって、
前のブログから引っ張り出してきた記事をブラッシュアップして投稿することもありますが、
また、いつでも遊びにいらしてくださいね。

もしかしたら

僕はその映画を見ていないので、(その映画の中の) ゲティがどんな人物かは分からないけれど、おそらく、友資さんの言うように、無人島に漂着したら、彼はその骨董品を火にくべるでしょう。

と、想像しつつも、こんなことも考えます。
骨董や美術品を手に入れることで、彼は「2の世界以外の場所」を、手に入れられる、そこに行けると、(本人も知らない心の奥底では) 思っていた、のかもしれないと。

でも、それらのほとんどは「指し示す指」であって、「月」そのものではない。だから、いくら手に入れても、彼は月にはたどり着けない。

そう思うと、「私は物が好きだ」という言葉には、本人が自覚していない深い哀しみが見え隠れしているような、気もするのです。

…と、思ったところで、当人には軽蔑されるか激怒されるかのどちらか、だとは思いますが (笑)。

お久しぶりです。いまだに「じゃっくさん」と書いてしまいそうです。酷暑のあとも続く天候不順の折、お変わりないことを願いつつ。V8。
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難しく感じるかもしれません。
それぞれの世界の動画解説もあるので
まずは動画をみていただくことを
お勧めします。

  「2」の世界(天秤世界&父性世界)についての解説
  「1」の世界(縁起世界&母性世界への扉)についての解説 前編  後編
  「0」の世界(悟り世界&母性世界)についての解説 前編  後編

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