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「スピノザの神」を愛したゲーテ

本日もお越しいただき
ありがとうございます




「スピノザの神」を信じたアインシュタイン

ニーチェが歩んだスピノザとの「二人連れの孤独」
の記事では
ほとんど
タイトルどおりのことを
お話させていただきましたが




スピノザ哲学は
直接的に
その中身に
触れていくよりも
その周辺から
間接的に
核(コア)に迫っていくのが
読者のみなさんを
置き去りにしない
最善作かなと
そんな気がしております




そんなわけで
本日もまた
スピノザ萌えな
先人を一人

18~19世紀の
ドイツを代表する
詩人
劇作家
小説家
自然科学者
政治家
法律家と
広い分野で活躍した
文豪ゲーテです
johann-wolfgang-von-goethe-16_convert_20181222144836.jpg
出典:chasethekangaroo.wordpress.com




ゲーテは
17世紀オランダの哲学者
スピノザから受けた
その影響を
友人である思想家
ヤコービ
こんなふうに
話します




たしかにそれは不完全なものであり、
とり急いでのものではあったが、
私はすでにそれによって
重大な影響を受けていた。

あれほど決定的な働きを私に及ぼし
私の考え方全体に
あれほど大きな影響を及ぼすことになった
この精神はスピノザであった。

すなわち、
私は私の特異な本性を陶冶(とうや)する手段を
くまなく探し求めた結果、
ついに
この人の『エチカ』に出会ったのであった。

私がこの書物から何を読み取ったか、
この作品に何を読み込んだかは
説明することができない

要するに私はこの書物に
私の情熱を静めてくれるものを見出したのであった。

感性的、道義的世界に対する
大きな自由な展望が開けるように思えた。

しかし特に私をとらえたのは、
全ての章句から輝き出る
彼の限りない無私の精神であった。
「真に神を愛する者は、
神に愛されることを願ってはならない」という
あの驚くべき言葉は、
それが基づいているあらゆる前提 、
そこから生ずるあらゆる結果とともに、
私の思惟のすべてを満たした。

「詩と真実 第三部」
ゲーテ著 山崎章甫訳






ところが
スピノザ哲学の研究者
河村厚教授

上記のゲーテの言葉に
スピノザの原文を
若干ですが
その出典個所を明記せず
変奏(改変)した個所が
あることを指摘します
関西大学学術リポジトリ



「真に神を愛する者は、
神に愛されることを願ってはならない」

河村教授訳では
「真に神を愛する者は、
神が自分を愛し返すことを
求めてはならない」
(Wer Gott recht liebt, muß nicht verlangen, daß Gott ihn wiederliebe.)





という部分を
スピノザは
「神を愛する者は
神が自分を愛し返すように
努めることができない」
(Qui Deum amat, conari non potest, ut Deus ipsumcontra amet.)



『エチカ』第5部定理19
書き記しているのです



一見すると
ちょっとした違いですが
ぼくの私見では
「重要な違い」です




なぜなら
スピノザが示した神は
「こうしなければならない」
「ああしなければならない」
といった
「定言命法(命令形)」の言葉を
まちがっても
口にすることがない
神だからです





「エチカ」とは
日本語で
「倫理学」と訳せますが
「~すべき」とか
「~せよ」といった
言い回しがいっさいない
倫理(人が歩むべき規範の筋道)学
だなんて──

ちょっと
いや だいぶ
ぶっとんでます




スピノザは
ゲーテが言うように
貫徹された
無私性でもって
神を表そうとしました



ところがゲーテは
スピノザの無私性に
こころ打たれたと
語った直後に
それとは逆行する
むきだしの「私性」を
うっかり?
露出してしまった
というわけです





もうひとつ
ゲーテは
スピノザの神から
獲得したものを
言葉にして
「説明することができない」

そう語っておりましたが




ゲーテの
言いたいことは
ぼくも痛いほどに
よくわかります

なぜなら
それが簡単に
誰にでもわかるように
説明できるものなら
とっくに
ゲーテのような文豪や
後任の哲学者たちに
説明し尽くされ
「1」の世界のビジョン
教科書に記され
ぼくがこのブログを
立ち上げることもなく
語るべきことはもう
何もなかったはずだからです





スピノザ哲学を
誰にでもわかるように
説明できるということは
「1」の世界を
誰にでもわかるように
説明できるということと
イコール
ですからね




けれども
1+1=2のように
理屈で
誰にでもというのは
難しくとも

ゲーテがふれた
直感的で
本質的な部分
なら
多くの人に
お伝えできると
そう思うんですよね





何を隠そう
「1」の世界は
「縁起」の世界
釈迦(ブッダ)の思想である
「それ(縁起)」と
イエスの神が
根付いた
ここ日本
でなら
可能性は
なくはないと
そんなことを思う
今日この頃です




今日も
ありがとうございました



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ニーチェが歩んだスピノザとの「二人連れの孤独」

哲学に
興味がない方でも
一度は誰でも
耳にする
「神は死んだ」
「永劫回帰」
言葉でお馴染の
フリードリヒ・ニーチェもまた
「スピノザの神」を信じたアインシュタイン
の記事の
アインシュタイン同様
17世紀
オランダの哲学者
スピノザ
共鳴した一人なのですが
Nietzsche187a1_convert_20181127114937.jpg
出典:www.the-philosophy.com



ニーチェは
スピノザ萌えな
自身の想いを
友人のオーヴァーベクへの
手紙の中で
こんなふうに
熱烈に告白しました




僕はすっかりびっくりして
うっとりしているんだ!

僕には先駆者がいるのだ
なんという先駆者だろう!

僕はほとんどスピノザを知らなかった
僕がいま彼をもとめたというのは
ひとつの「本能的な行為」であったのだ

《中略》

むろん相違したところは大いにあるが
それはむしろ時代や文化の
または学術上の相違した点にあるのだ

つまりだね
高い高い山に登ったときのように
ときどき僕の息をつまらせたり
血を流させたりした
僕の孤独が
すくなくともいまは
二人連れの孤独なのだ

──ふしぎだね!




「ニーチェ全集」 書簡集 第1







ぼくは
ひとつは
この手紙の中の

むろん相違したところは大いにあるが
それはむしろ時代や文化の
または学術上の相違した点にあるのだ


という部分に
着目します




ニーチェのこの
時代を超えた
広いまなざしは
とても
「1」の世界的だなあって
思うんですね



どういうことかといいますと
スピノザにしろ
ニーチェにしろ
イエスにしろ
釈迦(ブッダ)にしろ
いかなる先人も
時代や文化の空気
その国のルールや
その地に根付いた
宗教観や人生観が
先にそこにあって

おのおの
その時代や文化に
則した手段や
届けたい対象者に
刺さる表現や構成を
模索しながら

その時代や文化
社会体制や
世間的様相を
かんがみながら
自分がその時点で
保持する
最善の手ふだを
選び出し
言葉や表現を
選んだ
はずだからです





仮に
上記の4人が
2018年の現代を
生きていたなら
その伝達手段は
youtubeだったかもしれませんし
SNSだったかもしれなくて
格式高い
イメージの4人ですが
選ぶ言葉だって
もっと砕けた
拍子抜けするようなもの
だったかもしれませんし
思想哲学も
まったく違ったものに
なっていたかもしれません




みんな
みんな
ケースバイケースで
たとえそれが
利己的なものだろうと
利他的なものだろうと
そのとき
そのときの
その人にとっての
最善と思える
選択の連鎖が
現在にまで
つながってきた
それが
人類史であり

ニーチェが提唱した
「永劫回帰」は
自らの
日々の
選択の連鎖を
全肯定することを
求めます





ただし
自発的な
「超人」としての覚醒と
強靭な自己肯定
とを
求めた
ニーチェに対し

「エチカ」における
スピノザは
自発的であることも
自己肯定も
自己否定も
いっさい
提唱しません





そして
ニーチェの言う
「二人連れの孤独」とは
ただならぬ
思い入れを
禁じえませんが

もはやそれは
春日太一さんが語る 時代劇ブロマンスに見る「愛」の本質
の記事における
椿三十郎(三船敏郎)
宿敵半兵衛(仲代達也)
斬りあいのような
肉体的交わりなき
まぐわい
と言っても
過言ではない
濃密なブロマンスを
思い起こさせます




孤独に
さいなまれ
苦しい思いを
されている方は
ニーチェのように
誰より近くに感じれる
同じ孤独を抱える
誰かと
二人連れの孤独を
歩む
こともまた
ひとつの答えかもしれません





ですが
スピノザの研究者で
大阪大学の
上野修教授
二人の「孤独」には
決定的な違いがある
ことを
こんなふうに述べます
※()はぼくが付け足しました



ニーチェは「神の死」を
引き受けようとして
孤独だったのに対し
スピノザは彼の神とともにいた。

誰の手も煩わせずに
いわば(自分一人で)勝手に
救われていたのである。

上野修著
「スピノザの世界」





晩年
ニーチェが発狂した
その真相は
諸説ありますが
ニーチェは
「スピノザの神(「1」の世界)」の
核心部分
には
共鳴することができず
結局のところ
「一人連れの孤独」
最期のときまで
歩みつづけたのかもしれません





今日も
ありがとうございました





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「スピノザの神」を信じたアインシュタイン

本日もお越しいただき
ありがとうございます



昨日の記事
「1」の世界(縁起の世界)の先に
「神」を導き出そうとした哲学者「スピノザ」
では
17世紀オランダの哲学者
スピノザ
取り上げましたが




実は
このスピノザ哲学を
こよなく愛した
著名な物理学者がいます
スピノザと同じ
ユダヤ人である
相対性理論
生みの親
アルベルト・アインシュタインです
43060130_convert_20181120123812.jpg
出典:acfreemasons3821.blog.jp





ユダヤ教の
宗教指導者(ラビ)から
「あなたは神を信じますか?」
質問を受けた
アインシュタインは
「私は
スピノザの神を信じている
それは
この世界の
秩序ある調和の中に
自身があらわされる神であって
人間の運命や
行動にかかわる神ではない」

返答したという
逸話があります




この話を
小耳に挟んだとき
ぞわっと
鳥肌が立ったのを
忘れることができません




なぜなら
相対性理論もまた
「1」の世界的な
発想に基づいた
理論である

ということだけは
数学的な教養がない
ぼくでも
把握できていた
ことだからです



天動説と
地動説にまつわる
人間の思い込み

同様に
それまで
自明の真理であり
常識であり
絶対とされてきた
「時間と空間は
永遠に変わらない」
という
思い込み


グーグルアースのように
より高い地点と
より俯瞰した
全体性から
時間や空間
質量やエネルギーを
とらえ直した

アインシュタインの
アースフルなビジョンは
スピノザなくしては
なかったのかもしれません
(あるいは逆に
そのビジョンの素質を
すでに持っていたからこそ
スピノザに共鳴を
覚えたのかもしれませんね)




この辺のお話に
さらに踏み込んでいくと
もっと面白いお話が
できるのですが
おそらく
あまりに
濃い内容になってしまうので笑
今回は
この程度にとどめて
なんらかの形で
お話ししたいと思います




というよりも
そもそも
「1」の世界
そのものが
いまだに
わからないという方が
ほとんどなのに
読者のみなさんを
さらに
置き去りにしかねません




「1」の世界の
動画解説などと
併せて
お話するのが
もしかしたら
いいかもしれませんね




楽しみに
していてください(^-^)

今日も
ありがとうございました



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「1」の世界(縁起の世界)の先に「神」を導き出そうとした哲学者「スピノザ」

見えるものと見えないものは
「道(タオ)」の胎内で踊り続ける 
『老子道徳経』體道第一
の記事の
アースフルネス訳の一部に
こんな箇所がありました




この
「有」と
「無」とは
同じ
母なる「道(タオ)」を
みなもとに
名を異にしているもの
ただそれだけのことさ

言わずもがな
きみのなかにも
「有(肉体)」と
「無(こころ)」とが
宿されているだろう?





老子
この言葉と
類似する哲学を
書き残した人物に
17世紀オランダを
生きた哲学者
バルフ・デ・スピノザ
という人物がいます
o0500048213825489940_convert_20181119140129.jpg
出典:blog.despinoza.nl



ぼくが知る限りですが
「1」の世界
1人称の神
ここまで徹底して
理詰めで
表そうとした人物を
他に知りません




ユークリッドという
古代ギリシアの
数学者の手法に
のっとって
仮に
神が存在すると
仮定するなら
この世界は
こういうロジック(論理)で
成り立ってなきゃおかしい

という
なんとも大胆な
出発点から
神を導き出そうとした
そんな人物なんですね




この手法は
ぼくが
アースフルネス7ビジョンという
このブログだけの
仮定の真理(公理ともいいます)
示すところから
出発して
この世の仕組みを
他者と
共有しようとしたことに
どこか似ています




スピノザは
道(タオ)であり
と呼ぶしか
ほかに言いようがない
それを
プラトン
デカルトなど
先人の哲学者が
使った言葉を
あえて踏襲して
「実体」と呼び定め

有(見えるもの)であり
無(見えないもの)であるものを
「属性」と呼びました




これを例えるなら
「お酒」を
「実体」とするなら
「ビール」
「焼酎」
「ワイン」は
「お酒」から
枝分かれした
「属性」になるわけです




老子の言い回しを
借りるなら
母なる「実体」を
みなもとに
名を異にしているもの
それこそが
「肉体」であり
「こころ」という
属性
なわけです




そして
とどまることなく
姿かたちを
変化させていく
諸行無常の
属性(森羅万象)たち

その様を
スピノザは
「様態」
そう呼びました





感情や
自我など
人間的な要素を
可能な限り
排除しようとした
主著「エチカ」
あまりに難解すぎて
とてもじゃないけど
まったくお勧めできないのですが笑

「1」の世界の
緻密な設計図

その一冊には
込められています




7ビジョンの
「1」の世界の図が
示すとおり
1人称としての

証明しようとした
その設計図(エチカ)
遺稿となった
スピノザは
汎神論者(神以外のほかに何もないとする思想)
理神論者(人格的神を否定する思想)

あるいは
2人称の神を重んじる
多くのキリスト教徒には
無神論者
さげすまされ
権威者に危険視され
命まで狙われた
哲学者ですが




ぼくは
徹底して
人間的な要素を
打ち消し
「1」の世界を
表すという
そのこころみのなかで

実は
スピノザは
「0」の世界
すでにとらえていて
言葉で表すことが
不可能なそれを
どうにかして
表したかった
あるいは
次世代へと
託したかった
その結晶が
「エチカ」だったのではないか

そんなふうに思えて
仕方がないんですよね




哲学的な
理性と論理の
いとなみのなかで
イエス・キリスト
示したような
「0」の世界の
「汎在神」的な境地の
その鋳型を
表現するために
その領域への扉となる
「エチカ」を
書き上げた





そのことを
このブログのなかで
いつの日か
理性的に
証明することが
ちょっとした野望です( ̄▽ ̄)




今日も
ありがとうございました




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プロフィール

 友資

このブログの筆者: 友資


初めて訪問された方は、
  vol.1「アースフルネス」ってなに?前編の動画を見ていただくか、


初投稿記事
  「アースフルネス」とは?前編
をクリックいただけましたら幸いです。

以下の
アースフルネス「7」ビジョンについての解説は、
哲学やスピリチュアルに馴染のない方は
難しく感じるかもしれません。
それぞれの世界の動画解説もあるので
まずは動画をみていただくことを
お勧めします。

  「2」の世界(天秤世界&父性世界)についての解説
  「1」の世界(縁起世界&母性世界への扉)についての解説 前編  後編
  「0」の世界(悟り世界&母性世界)についての解説 前編  後編

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